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Chapter 02:お金がなければ汗をかくべし

福山は、砂紋柄の革でできた財布とトートバックを購入し、江田島と閉店後に会う約束を交わした後、店を出た。
予約しているホテルに戻った福山は、アドバイス内容や、その裏付けをとるための情報を集め始める。

日も暮れ、福山は待ち合わせの喫茶店で江田島を待った。

江田島さん、こちらです。
お忙しいところ、お時間を頂きありがとうございます。

いえ、私こそ相談に乗ってもらえるなんて光栄です。
起業してからこれまでの1年間は、がむしゃらにやってきました。
しかしなかなか成果につながらず自信を失いかけていたところでした。

福山は店員を呼び、珈琲を注文して話を始めた。

この商品名〈SAMON〉は、どなたがつけた名前なのですか?

私です。
と言っても、砂紋をそのままローマ字化しただけですが。

先ほどざっと調べてみたのですが、商標登録は誰もしていないようですね。

商標登録・・・?

そう。
Googleなどで〈砂紋 鞄〉〈砂紋 財布〉といったキーワードで検索しましたが、
競合商品も見つかりませんでした。
でも、あなたのウェブサイトも検索結果に出ていなかったのは少し問題ですけどね。

そんなことがすぐに調べられるのですね・・・。

まず江田島さんに理解して頂きたいことがあります。

何でしょう。

それは、この〈SAMON〉など、他に類のない希少性のある商品は、
インターネットとの相性がとても良いということです。

どうして相性が良いと?

理由は3つあります。

3つ・・・。

1つ目は、ネット検索で比較物がなければ価格競争にならないからです。
インターネットがもたらした功罪は、比較ですからね。

なるほど・・・。

2つ目は、ネット特有の口コミ効果=バズ・マーケティングが起きやすいことです。

確かに、面白いものがあれば、
TwitterとかfacebookなどのSNSであっという間に何千人にも広がったりしますね。

その通り。
最後に、〈SAMON〉は他の人に紹介し易い特徴のある商品なので、
販売代行も自発的に起こっていくことが挙げられますね。

うちの商品がインターネットと相性が良いとは思いもしませんでした。

さて、ここから本題です。
インターネットで商品を売るための施策として、
江田島さんに行っていただきたいことが3つあります。

何をすれば?

まず1つ目は、ちゃんと検索結果に表示されるホームページに作り替えること。
2つ目はネットPRを徹底化すること。
最後3つ目は、アフィリエイトの活用を緻密に行うことです。

ホームページのリニューアル、ネットPRの徹底、
アフィリエイトの活用・・・。

この3つのSTEPに、迅速に取り組まれることが重要になります。

〈SAMON〉を世に知らしめ、この地を活性化するためにも全力でがんばります。
ただ本音は、とにかく投資するお金が乏しいことが心配ですが・・・。

お金がなければ汗をかくことです。
今や独学でもできることがたくさん増えてきました。

お金がなければ汗をかく・・・そうですね。

ただし、専門性の高いことはプロに依頼しなければなりません。
その点さえ間違えなければ、比較的投資を抑えて大きな成果を出せるものです。

では、まず何から始めるべきでしょうか?

まずは予算計画を立てることです。
ホームページ制作の初期投資として50万円程度、
毎月の運用費を5万円程度捻出しなくてはなりません。

なるほど・・・。

それと年2回、スポットで10万円、
売れるようになればプラス月額5万円程度の広告出稿費が必要になります。
その予算を初年度になんとか調整できるよう、計画を立ててください。

年間200万円ですか・・・うーん・・・。
何とか出資金の中で調整できると思います。

次に、このIMA検定を受講してネットマーケティングを学んでください。
本来はインターネット広告の運用は外部に委託をするのですが、
外注費が捻出できないのであればぜひご自身で学んでください。

IMA検定?
初めて聞きました。

IMA検定は三大ネットマーケティング検定の中で
最も実践的との評価がある資格制度です。
インターネット広告の配信やウェブサイトの分析の実務を
eラーニングで学ぶことができますよ。

最も実践的な資格ですか。面白そうですね。
ぜひともIMA検定を受講します。
他には何をしておくと良いでしょう?

IMA検定の勉強をしながら、2つのことを行ってください。
1つ目にこの地で有名な人にコンタクトをとることです。
例えば、ミュージシャンや画家などといったアーティストで、
あまりメジャーな人でなくても良いです。

この地で有名な人・・・。
同級生や先輩をあたればすぐに集まると思います。

2つ目に、企業人で若手経営者、更には地元テレビ・ラジオの関係者など、
交友関係が広く話題作りが得意な人に出来る限り多くコンタクトをとってください。

コンタクトは何のために?

この地の知名度を上げるための協力者を募るためです。
一人の声では届かないことも、大勢が集まると一瞬にして届くようになるものです。
更にその人達に声をかける際、すべての人に〈SAMON〉をプレゼントしてください。

なるほど、分かりました。
〈SAMON〉を無料で渡すということですが、
すでに買って頂いている人もたくさんいます。
その場合は、プレゼントしなくていいでしょうか?

その場合は、プレゼントは不要です。
この地を有名にするプロジェクトを起こしたいので参加して欲しい、
とだけ伝えてください。
あとは、今日から〈SAMON〉についてのブログを書き溜めてください。

ブログですか?

江田島さんが思うこと、〈SAMON〉に懸ける思いや、
この街の出来事などを毎日最低100文字程度で書き続けるのです。

ブログは長文のイメージがありましたが、100文字以上程度でいいのですね。
それなら私にも続けられそうです。

ネット戦略では、毎日の情報配信が成否を分けます。
ブログを毎日書かない人は絶対に成果を収められません。
ホームページができるまで、頑張って写真も撮影しながら、
こちらのブログサイトへ書き溜めておいてください。

わかりました。
色々とアドバイス頂き、本当にありがとうございます。
早速、人集めとブログを開始します。
なんだかわくわくしてきました。

ブログの必要性

ブログ専門サイトへの記載は、以前のような拡販作用は少なくなってきている。これにはブログサイトを使用する人があまりにも多くなってきたことが要因。SEOを考慮した場合、必ず自社のホームページにサブドメインにてブログページを作成し、そこに書き込むことが必要となる。
専門サイトで書くブログを『外ブログ』、自社のホームページ内で書くブログを『内ブログ』と言い、企業や店舗は必ず『内ブログ』で書き込むことが推奨される。

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