ベンチャーのカリスマとの出会い

そんなある日、このショップカード事業の成長に注目した銀行からフランチャイズ専門の上場会社を紹介してくれるという声がかかった。コンサルティング先の会社からもこの事業をもっと大きくしたら良いという意見もあり、話を聞いてみることにした。

銀行から紹介された上場企業へ訪問が決定し、当時経営界で有名だった社長は30分だけアポイントをとってくれた。ベンチャーのカリスマだからとにかく忙しい人だった。京都のオフィスを訪ねたが、約束の時間になっても部屋から出てこない。隣の部屋で怒鳴っている声だけは聞こえてくるのである。約束の4時を回り、4時20分になっても出てこない。25分になってようやく部屋から出てきてくれた。

もう5分しかないと思って、持参したツールを見せながら慌ててプレゼンをした。その社長は「そんなに急がなくてもいいから」と言いながら話を聞いてくれ、途中から「おったでここに、俺の若い頃と同じ発想のヤツがおったわ。これはおもしろい。印刷の新たなビジネスモデル。おもろい男がおったやないか」と絶賛してくれ た。「いくら必要か?」と端的に言われ、たった10分の間に数億の融資が決定した。

あとは部下と話してくれと言われ、「じゃあ」と部屋を出て行かれた後、私はあっけにとられていた。京都駅までの帰りのタクシーの中で「さっきのは何だったんだ?」としばらく思考がまとまらなかったほどである。

早速翌日電話があり、事業モデルを公開してくれとその会社の社員が送り込まれて来た。私がたった一人で作り出したモデルは、2、3ヶ月もしないうちに予想以上のすごい事業フレームとなっていった。全国展開し、何百箇所で販売するといった内容に、既存の社員はビビったほどである。

そんなスタートからたった6ヶ月で、250社のフランチャイズ契約が実現した。当時はいわゆるITブームで、36歳の経営者のもとに、毎日加盟金だけでも1千万円単位で入金があったのだ。気づけばたった一年で、加盟金27億円の一大フランチャイズチェーンが出来上がったのである。
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