成長を止める落とし穴

加盟店からの収入が日に1億円入ってくるようになると、株式公開の勉強をしはじめた。本社も地方から東京の一等地に移転し、印刷とコンサルティング事業の会社経営が、まるでフランチャイズ本部経営者のようになっていった。今思えば、当時はフランチャイズ経営の素人だったので、大手企業が事業フレームを組んでくれたことに甘んじてしまい、自分自身が事業を組み立てていなかったことが残念でならない。

しかし、急速に規模を拡大をしたことで、加盟店へのスーパーバイジングの体制整備が追いついていおらず、契約がとれない加盟店からのクレームがどんどん膨れていった。加盟店の売上が上がらなければ当然本部は収益が悪化する。そうなると、資金繰りがショートしてしまい、公開前提の借入にも影響が出はじめた。 結局は融資をしてもらった上場企業をふたたび頼ることになり、子会社として支援をしてもらうこととなった。

ただ悪いことは続くもので、子会社となって再起をはかっていた矢先、その上場企業の経営状況が悪化し始め、外資系企業が支援に入った。すると借金を返すあての無い子会社は特別精算という形となってしまった。それまで暴れに暴れてきたベンチャー経営者はついに経営者ではなくなり、フォーシードという会社は水の泡と化してしまった。ただしそのまま対等合併となり、社員にはあまり影響を出すことがなかったのが不幸中の幸いであった。

私は合併した会社の副社長になった。38、39歳の時に2年間サラリーマン役員を務めたわけである。その間もカード印刷から各企業の印刷物に至るまで、ずっと印刷事業に関わっていた。
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