日本で3番目に導入したイープリント

キャリーバッグ営業の結果、全国的に契約先が増え、コンサルティング会社として成長し始めた。しかし一方で、何か実業を持たないといけないという思いも生まれていた。当時は「印刷機を持っていないやつが印刷会社の気持ちなんて分からないだろ、偉そうに言うな。」と言われることも多かったからだ。

そんな折、設立半年目でC銀行のベンチャー融資制度に唯一認定され、デジタル印刷を使用した新しい印刷市場のビジネスモデルを掲げると、地方新聞に大々的に取り上げられるというチャンスが巡ってきた。ベンチャー融資制度のお陰で、設立間もない会社が無担保で多額な資金を借りることができるようになったのである。

ちょうどそのころ、軍事技術を持つイスラエルのインディゴ社のイープリントというデジタル印刷機があれば、印刷の世界を変えることができると言われていた。そこで勢いオランダまで交渉に行き、設立1年目にもかかわらず6000万円もするデジタル印刷機を購入した。当時14坪7万円のオフィスから始めた会社だったのだが、機械だけで15坪 ほど、完全にエアコンをかけて温度を一定にしたバキューム式の施設が必要になったので、オフィスも急遽移転しなければならなくなった。このときもベンチャー融資制度のお陰で、地方都市で当時もっとも有名だったC銀行のビルに入りたいという思いも実現した。コンサルティング業は虚業だから、普通の路面店ではなく立派なビルに入りたいという憧れがあったのも正直なところである。

こうしてC銀行のビルの壁を壊し、ものすごい手間と費用をかけて階上に設置したイープリント。世界に数台しかないこの機械は、日本ではまだ業界関係者でもデジタル印刷機を見た事がない人が多かったため、全国の印刷会社の経営者が連日のようにを見に来てくれて話題となった。
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