旧態依然体質への鬱憤

地場最大手の印刷会社A印刷にて再スタートを切った私は26歳。入社するとマーケティング部に配属となった。マーケティングの仕事に関わる一方で、印刷業はモノづくりの会社であるということから印刷の現場やレタッチの製版現場に入って経験を積みながら会社組織を全て経験していった。

しかし、あることに気がついた。地場では最大手、印刷業だけでグループ400名をも超える社員を抱える有名な会社にもかかわらず、あれ?なんかおかしいなと感じた。立派な社屋なのに業務の電子化が全くなされていなかったり、営業マンの力がものすごく強かったり、ここにも古い体質が残っていたのだ。

初就職をした流通業D社は、バイヤーの権限が特段強いわけではなく仕組みで組織が動いていたのに、印刷会社では声の大きい営業マンが無理矢理仕事をねじ込む事で、緻密に計算された納期や工程がくつがえされ、現場はぐちゃぐちゃになるのを目の当たりにした。売上を上げた後に見積りをしてお客さまと交渉したり、伝票を作らずに仕事が回っていたり・・・年商何十億という会社が一体何をやっているんだと思った。

働いている人たちも、製造現場は「営業はアホや!あいつらがロクな仕事をしていないから製造が苦しんでいる」と言い、営業は「製造が悪いから売れない」と責任を押し付け合って不満だらけ。対立構造のその古い仕組みに疑問を感じる日々が続いた。

これでは続けられないと感じた入社6か月目の私は、ヘッドハンティングで拾ってくれた社長に相談に行った。何が嫌なのか?と寛大に問うてくれた社長に思いのたけを吐き出した。

「自分が最初に就職した小売業のようにPOSレジなどの仕組みが全くないので、今後何か会社の中でやりたいと言ってもベテランの方の大きな声でかき消されてしまう。それに一生懸命に良いモノづくりをしたいと思って制作に注力しても、無理矢理訂正や別の仕事をを入れられることで、全て無茶苦茶になってしまう。これではクリエイターとしていいモノは生み出せない!」

そんな26歳の若造の言い分に、社長は一言「やりたいようにやってみろ」。なんと別部門を作ってくれた。マーケティング部の中に、デザイナーや企画営業も入れて新しく1つのチームを作り、新商品のロゴ開発やCIの考案をメインでやっていく部署になっていく。
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