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STORY原田烈伝 
─脱サラからわずか数年で年商60億へ─

第五章 新たな出発

第二の起業、唯一無二の人材業立ち上げ

東京でサラリーマン役員をしていたのだが、どうしてももう一度自らの会社を起業したいという思いが捨てられず、40歳になった時に再出発を決意する。役員の任期が2年1期だったので、辞めるなら今だ、というタイミングでもあった。

第二の起業を決意した私は、広島の友人を頼り、フォーシードがあった福山から出ることにした。広島で会社を興そうと思った背景は、地元の福山では元の部下が会社を作って頑張っていたため、そこで私が会社を作るとなると少なからず競合になって迷惑がかかると考えたからだ。

次に、どんな事業をやろうかと今一度考えた時、これまでの印刷や広告やインターネットからは足を洗うことにした。そして私は、きれいごとではなく素直にこう考えた。「世の中の経営者の一番の困りごとを助けたい」。過去に自分が経営者として何で一番困ったかなぁと考えたはじめた。それは「人材」であった。

人材には本当に困った。会社が一番成長した時期には1年で150人を採用する年があったが、地方都市の福山で150人採用するには、膨大な求人広告費をつぎ込み、採用エージェントを片っ端から利用して活動するしかなかった。しかし、エージェントが紹介してくる応募者は、高学歴ではあるが、求めている人材と全く違うというケースがあまりに多かった。さらには、一週間で辞めさせたら何十万円という違約金が発生するなどという規約もあることから、当時から「人材業はおかしい」と感じていたのだ。

優秀な人材を欲しがっている中小企業はたくさんいるし、学歴はないけどポテンシャルが高い人材もいる。それなのに、両者をきちんと橋渡しする人材エージェ ントはいない。そこで、第二の起業は「人材業だ」と決意した。私の思いはもちろんだったが、当時はちょうど人材業への規制緩和が大きく進んだ時でもあった。法律が変わり、どんどん門戸が開かれ始めていた。

こうしてスタートしたのが教育型職業紹介事業「キャリッジ」である。「キャリッジ」の由来はキャリア&カレッジで、人生のキャリアアップとカレッジという学びを提供する事業ということでスタートさせた。2004年初秋であった。条件面のマッチングだけで仕事や人材を紹介する従来の人材業に真っ向から勝負し、働く人の価値観と企業文化とのマッチングロジックも開発した。それからは今までなかった唯一無二の人材業を目指して走り続けた。

それから5年、人が働くことや成長することを応援できる会社を目指してきた人材紹介会社「キャリッジ」は、広島の大手人材紹介会社を抜いて圧倒的な転職後の定着率を維持していった。

印刷業界支援の再開

こうして人材業も軌道にのり始めたころから、昔のコンサルティング先から「原田さん、役員辞めたらしいけど、今、何やってるの?」と問合せが来るようになった。1社、2社と連絡があり、以前のような勉強会をしようという方々が次々と集まり始める。

そこで周囲の声に押される形でスタートさせたのが現在のICSPトレーニングスクールの前身となる「オアシス」という勉強会である。しかし、当時はもう印刷関連のコンサルティングを主事業でやるのは止めようという思いがあり、オアシス事業は、現在も役員を務めている別会社の専務を私がサポートするという形でスタートさせた。

この勉強会は、毎年いろんなマーケティングソリューションを創出して活性化していったものの、そのうち日本の印刷会社全体が年々疲弊していくという現実が明らかになってきた。デジタル印刷は鳴かず飛ばずで、異業種が印刷業の領域に食い込んでくるという段階にまでなってきていた。そんな中、印刷業の皆さんを元気づけられる何かを本気で提供しなければならないという、封じ込めていた思いが再燃したのである。こうして再び自分の会社の事業としてこの勉強会に本格的に力を注ぎ始め、本当に疲弊していく印刷業会を元気にしたいという思いで今日に至っている。

最近の活動、そしてこれから

一回、会社を潰してコケる事にはなったが、現在、再び印刷業支援の道を歩みだす今に行きついたのは、人材業という印刷以外の事業をやってみたことが大きい。その間、印刷物や広告というものが本当に必要かどうかを改めて冷静に考えることができたからだ。

私は常に、印刷業の地位向上を目的にやってきた。フォーシード時代の企業理念は「効果主義」。その思いは今でも変わらない。印刷会社はクライアントの成果をあげる印刷物を作る会社になってほしいと心から思っている。だから、ただ紙にインクを乗せて納品するのではなく、印刷物の中のコンテンツが全てと信じ、全国の印刷会社に効果を上げてもらうアシストに取り組んできた。それは、20年以上経った今でも何ひとつ変わっていない。

フランチャイズ事業にもチャレンジしたけれど、結局は、印刷物を通してクライアントやお店のオーナーに効果を上げてもらい、それによって印刷会社の地位自体も向上させるのが目的だった。今でも再起のきっかけとなった人材事業は大切にしているが、印刷業支援を主力事業にするというあるべき姿に戻ってきたと思っている。

現在、ICSPトレーニングスクールを修了した会社を中心にクラウドマネージメント協会という全国組織を作り、印刷業界の新しい取り組みに対して全国70数社から賛同を得ている。協会組織はまだまだ発展途上ながら、世の中の流れや最新の技術を反映させた独自の商品開発と、科学的セールス手法という原点を進化させ続けている。

インターネット無くしては多くのビジネスが成立しない時代を迎えた今、インターネットとの融合から新しい受注を獲得する「Webファースト」という印刷業の新営業手法の研究に本気で取り組んでいくつもりだ。

第四章 昇竜の躍進